契約書作成・契約書チェック

契約書を作成しなくても、(一部の契約を除き)契約は有効に成立します。

つまり、当事者間の合意さえあれば口頭のやりとりでも契約は成立するのです。

そうすると、契約書を作成するメリットはどこにあるのでしょうか?

  • 契約書がない場合はトラブルへの対処が困難!

    現実の商取引では、思わぬトラブルが発生することがあります。
    たとえば、次のようなトラブルが発生した場合、自社としてどのような対応がとれるでしょうか?

    • 約束どおりに代金が支払われない。
    • 約束した金額以上の代金や追加料金を請求された。
    • 受け取った商品に欠陥があった。
    • 注文した商品と納入された商品が異なると言われた。
    • 取引先の信用状態が急激に悪化した。
    • 取引先が倒産した。

    口頭での契約の場合、通常は細かな内容まで取り決められませんし、契約の存在(成立)や内容を後から確認することもできません。 また、「注文書」「注文請書」等の簡単な書面しか交わされていない場合には、契約の細部は曖昧なままですし、書面に書かれた文言が様々に解釈できる場合には、双方の言い分に衝突が生じてしまうこともあります。
    これらの場合には、トラブルを解決するために要するコスト(労力や時間、費用等)が、非常に大きなものとなってしまいます。

  • 適切な契約書は「紛争解決コスト」を低減させる!

    取引から起こり得るトラブルを事前に予測し、その処理方法を適切に組み込んだ契約書を交わしていた場合には、トラブルの発生自体を回避できるばかりでなく、発生したトラブルにも迅速に対応することができます。
    このように、適切な契約書は、双方の言い分が水掛け論に陥る可能性や、曖昧な文言をめぐる解釈争いを回避することができ、紛争解決に要するコストを大幅に低減させることができるのです。

  • 過去の契約書やひな型を使用することの危険性

    ただし、契約書は「作りさえすればよい」というものではありません。重要なのは、契約書に盛り込まれる「内容」です。
    時折、過去に作成した契約書を改訂しないまま長年使い続けているケースや、書籍やネット上で公開されている「ひな型」をそのまま使用しているケースが見られますが、このようなケースには思わぬ法的リスクが潜んでいる可能性があります。
    たとえば、過去の古い契約書は、最新の法令の規制に対応していない場合や、契約条項が現在の取引形態に適合しなくなっている場合があります。
    また、いわゆる契約書の「ひな型」は、その契約類型について、よくある一般的な事例を念頭に作成されたものにすぎず、多様な現実の取引に対応していない場合がほとんどです。
    さらに、「ひな型」は契約当事者のどちらか一方に有利な内容で作成されている場合があります。そのため、選択を誤ると、自社にとって利益にならない(むしろ不利益な)契約書を、気づかぬうちに交わしているおそれもあります。
    万が一、不適切な契約書を使用していた場合には、紛争解決コストを低減させるどころか、契約書の存在自体が、逆に自社の利益を損ねるおそれすら考えられるのです。このような場合には、早急に契約書を見直す必要があります。

重要な取引にはオーダーメイドの契約書を!

契約書を作成していない場合や、古い契約書やひな型そのままの契約書を使用している場合には、思いがけない法的リスクが潜んでいる可能性があります。
特に、重要な契約や取引を行う場合、たとえば、取引基本契約の締結、事業基盤に関わる取引、自社の秘密を扱う取引等を行うときには、取引の実情を踏まえたオーダーメイドの契約書を作成されることをお勧めします。
当事務所では、事業内容や取引内容、取引相手方の信用状況等を勘案し、将来生じうる法的リスクを予想した上で、ご要望にかなう戦略的な契約書をご提案させて頂きます。